いつまでたっても上達しない?ジャズピアノ上達のポイント3つ

ジャズピアノが上手くなりたくて頑張って練習しているものの、果たして自分が上達しているのか不安になるときがあります。

どんな状態になれば上達しているのか?に対する答えを考えてみます。

この答えを持つメリットは、自分の上達を実感できること。言い換えると、上達しているにも関わらず「いつまで経っても上手くならない」と誤った思い込みにより、モチベーションが低下するのを防げることです。

誤った思い込みは初心者や指導者のいない独学者にありがちです。

この点について、社会心理学者の岡本浩一さんによる新書『上達の法則』が非常に参考になります。

この本では「上級者とは何ぞや」を定義し、「上達」のコンセプトを具体的に言語化されています。


これを参考とし、ジャズピアノにおける上達ポイントを3つ挙げてみます。

目次

無意識にできる技能の数が増える

上級者は「ながら」ができる(中略)習熟度が進んでいるので、技能の自動化が進んでいる。したがって、思考を介さずに実施できる技能の種類が多く、また、自動化の進んでいる技能サイズそのものが大きい(後略)

引用:『上達の法則』p84

「できることが増える」が上達。

当たり前だろという感じですが、重要な点は無意識であること

無意識下であれば、それをしながら別の部分にも注力することができます。

(無意識に)苦手だったコードが弾けるようになった
(無意識に)テンションを含んだボイシングができるようになった

など、小さなことでも無意識下でできることが増えれば間違いなく上達しています。

ジャズのプロや上級者は、無意識にできることが複雑かつ多彩です。

思考を介さずにできることが多いので、演奏中でもメンバーの音やリスナーの様子に意識を向け、創造的な展開につなげることができるのです。

自分なりの美観が備わる

(前略)技能に対して、巧拙の認知とは別に、好き嫌いの認知、自分なりの美観の認知が出てくるのが、上級者のレベルである(後略)

引用:『上達の法則』p102

どんなジャズがカッコ良くて、ダサいのか。
いわゆる自分の好み・こだわりが出てくることです。

これには様々なアーティスト・曲、ジャンルを数多く聴くことが大事。
聴く数を増やせば増やすほど比較ができるようになるため、自分なりの好みを発見しやすいです。ひいては、こだわりも出てきます。

速弾きしまくる派手なのが好きだ、アウトしまくるアドリブがカッコイイ、ビルエバンス一筋、フリージャズ最高、など…

好みが変わっただけで上達?と思われるかもしれませんが、音楽への理解度が高まっているとも捉えられます。

自分なりの好みは音楽の聴き方や練習方法にも反映されます。
演奏の幅を広げるという意味でも上達につながる要素になり得ます。

他者のプレイ内容が理解できる

(前略)上級者になればなるほど、わずかな特徴から、多くのことを読みとり、それによって技量の評価を形成することができる(後略)

引用:『上達の法則』p112

これは超大事

例えば、セッション中に他のメンバーのアドリブを聴いているとき、

「この人は○○が得意(不得意)だな」
「今のは●●スケール」
「代理コードに変化した」

ということが理解できているか?というポイントです。

メンバーのプレイ内容が理解できると、セッションやライブ中の自分の立ち位置であったりアプローチの仕方が見えてきます。バッキングやボイシングにも変化をつけられます。

これは前述の「自分なりの美観が備わる」にも通じますが、理解度の高まりに応じて感じ方が変わってきます。

初心者の頃は「周りの人はみんな上手い」と思っていたけど、「あの人とあの人はここが違う」と、自分より上手い人同士の比較ができるようになってくる。

理論や多くの音楽を知ることで、今まで何も感じなかったものが、意味のわかるものに変化してくる

他者のプレイ内容が理解できると、自分の音に根拠を持って演奏することができます。雰囲気で演奏することから脱却したい人は、意識すべき点だと思います。

上達ポイント3つ まとめ

・無意識にできる技能の数が増える
・自分なりの美観が備わる
・他者のプレイ内容が理解できる

このテーマはピアノに限らず、ジャズ全般にも共通しています。自分なりに上達している部分を認識することができれば、下手に思い悩むことなくジャズを楽しめます!

 この本はさらに細かく上達のメカニズムを具体的に知れるため、指導者の方にもオススメです。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

この記事をシェアする
目次