譜面禁止セッションの意図とは?

ジャズのセッションには「譜面禁止セッション」なるものが存在します。

文字通り、参加者は譜面禁止=暗譜でのセッションを要求されます。

「譜面禁止」ってなんだか語感が強いですよね
人によって感じ方は様々ではないでしょうか。

わざわざ禁止する意味がわからない…
上手い人ばかり集まってそう…
ピリピリして怖そう…

とは言いつつ、私自身もセッションは暗譜で臨むのが望ましいと思っています。

ここでは、この「譜面禁止」の意図などについて考えてみます。

目次

ジャズのセッションは暗譜が基本

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ジャズのセッションは暗譜が望ましいと言われます。

なぜか?

理由はいろいろありますが、
主には譜面に気を取られず、周りの音に集中できる状態になるためです。

セッションの醍醐味の1つは、メンバーとの掛け合い。そこから生まれる新たな発想やグルーヴが、演奏のレベルを高めていきます。そのためには、メンバーの発する音に集中しなければなりません。

その手段が暗譜です。

セッションの経験がある人は体感してるかもしれませんが、暗譜の方が良いアドリブができる可能性が高まります。だから、セッションは暗譜が基本なんですね。

そして、これをセッション参加者全員に要求するのが「譜面禁止セッション」です。

譜面禁止=初心者の足切り ではない

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たまに勘違いされているのが、譜面禁止は初心者を足切りするためのルールだと思われていること。

これは違います。

曲の構成やメロディ、コードが身についていることを前提として、周りの音に意識を向けられる状態になっている人(もしくはそのように意識している人)を参加条件としているのです。

要するに、セッションに参加するスタンスの話です。

簡単な曲しかできなくても、「暗譜している曲をセッションしに来ました!」というスタンスの人は歓迎されます。

一方で、いくら楽器の技術が高くても、「その曲覚えていないですけど、譜面があればできます。やりましょう!」「知らない曲ですけど、ついていきます!」というスタンスの人は排除されます。

譜面禁止されていなくても、暗譜で臨む姿勢で

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暗譜を前提としたセッションでは、メンバーがメロディやコード進行を覚えており、自分の音を集中して聴いてくれるという安心感・信頼感が得られます。

その安心感・信頼感が土台にあると、時には思い切ったアウトフレーズや複雑なポリリズムを入れてみたりと、より幅広い展開につながるアクションを起こしやすくなります。

これは、メンバーの1人でも、曲を知らなかったり、譜面にかじりついている状態のセッションでは得られません。

もちろん、覚えていない曲や知らない曲について、譜面を見ながらセッションすることが悪いわけではありません。

世の中には、譜面を見ることが禁止されていないセッションの方が多いですし、むしろジャズの勉強・練習をするという点では誰しも通る道です。

意識すべきなのは、ジャズのセッションは、譜面に書いていることを再現するのではなく、メンバーの音を聴きながら展開するものだということです。

少なくとも、セッションで頻出するスタンダード曲は暗譜してセッションに臨むとベターです。そうすれば、より演奏の幅が広がり、自身の上達にもつながる可能性が高まるのではないでしょうか。

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