最初はそんなもん:ジャズピアノ初心者がセッションで陥りがちな失敗

セッションでの失敗って、本当に悔しいですよね。頭が真っ白になったり、思った通りに弾けなかったり…帰り道で何度も後悔した経験、きっとあるんじゃないでしょうか。

この記事では、ジャズピアノ初心者がセッションでよくする失敗について触れています。読んでいるあなたも、「ああ、こんなことあったな」と思うことがあるかもしれません。

ただ、最初にお断りしておきます。具体的な解決策は書いていません。むしろ、みんな同じように苦労しているんだよという共感を得て、少しでも気持ちが楽になってもらえればと思っています。

これを読んで、次のセッションに向かう足取りが少し軽くなったら嬉しいです。

目次

自分だけが失敗してるわけじゃない

ジャズピアノを始めた頃、特に1〜3年目は「なかなか上達しないな」と感じることが何度もありました。

周りはセッションを楽しんでアドリブも流暢にできているのに、なぜ自分はうまくならないのかと悩む日々。

初心者のうちは、どうしても自分にはモノサシがなく、周りがみんな上級者に見えるもの。でも、プロもアマチュアも関係なく、みんな最初は同じように失敗を重ねています。

これから、わたし自身の経験も踏まえながら、セッションでよくある失敗について書いてみます。

過去形のように書いていますが、10年以上経った今でも失敗ばかりです…。

セッションでありがちな失敗

イントロ失敗して変な空気になる

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イントロお願いします

――ピアニストなら避けられない瞬間です。初心者にとって、即興でイントロを作るなんて無理な話。頼りになるのは、偶然練習していた数少ない定番のイントロパターンだけ。

でも、たとえ定番パターンを知っていても、曲によっては違うリズムやキーでイントロを出さなければならないこともあって、そんな時は冷や汗が止まりません。

迷いに迷って、何とかイントロを出してみるものの、音を外しすぎて誰もついてこれない…。音楽が始まらず、場の空気が一瞬で凍るあの感覚は、本当に辛いです。

そして、フロント楽器がタイミングを逃してテーマに入れなかったときの「あ、今だったの?」という表情…。そのいたたまれなさは、思い出したくもありません。

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初めて人前で演奏したとき、事前に準備していたアドリブ譜をそのまま弾こうとしました。しかし、途中でつっかえてしまい、その後の10小節ほど、完全に何も弾けなくなってしまったのです。

でも、音楽は止まりません。ベースとドラムは淡々と小節を刻み続ける中、私はピアノの前で何もできず、ただ地獄の時間が流れるだけ…。演奏しているのに、自分がいないような感覚に襲われます。

ソロが終わり、お情けの拍手がパラパラと聞こえたときは、心が本当にえぐられました。

初心者の頃って、事前に書きアドリブを作って、それをそのままセッションで弾こうとすることが多いんですよね。これは練習としては正しいんですが、途中でつっかえるとリカバリーできずに詰んでしまうんです。

これが残り半コーラス以上も残っている状況で起こると、泣きたくなるほど絶望的です。そして、次に待っているのが「小節を見失ってリカバリーできない」状態です(次の項目へ👇)

小節ロストからリカバリーできない

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ロストとは、文字通り見失うこと。

音楽の中で「今、曲のどの部分を演奏しているのか」がわからなくなる、あの恐ろしい瞬間を経験した方も多いでしょう。

特に自分のアドリブ中にロストすると、かなり焦ります。セッションに不慣れな頃は、ベースラインを聴いて元に戻ることも難しく、一つ前の「アドリブの途中で完全停止する」にもつながりかねません。

ロストの原因は様々です。ポリリズムに惑わされたり、集中力を欠いたり、単に曲を知らなかったり。特に「知らない曲」は厄介で、音楽の流れから取り残されてしまいます。

とは言いつつ、プロであってもロストすることはあります。なので、ロストした状態からいかにリカバリーするかが大事になります。

エンディングでグダグダになる

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特に決め事のないセッションでは、エンディングの方法をピアノに任されることがよくあります。

終わりが締まらないと音楽全体がまとまらないので、責任重大。

いつまで経ってもエンディングに入れなかったり、明らかに終わりの雰囲気なのに迷ってエンディングを弾けないと、いまいち締まらないグダグダな演奏になる。

エンディングは一概にピアニストだけの責任にはならないんですが、やはりピアノに振られることが多いです。定番のエンディングパターンを12keyで弾けるようにしておきたいところ。

明らかに終わりそうな合図を汲み取って、ひるまず(重要)にエンディングを弾けるようになるにはセッション慣れが必要です。

「やること多すぎて無理」ってなる

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失敗というか状況です。ここまでイントロ、アドリブ、エンディングの枠組みで書きましたが、関連してその他大量の課題があります。

リズム、メロディのフェイク、スケール、ボイシング(右手・左手・両手)、コードワーク、バッキング、フレーズ、ベースライン、レパートリー、楽器のコントロール……

嫌になるぐらいやること多過ぎるんですよね。なんと伝統的なジャズメソッドでは、これらの要素を過去の偉大なミュージシャンを耳コピして特訓せよと言うんです。挫折者が続出するのも無理はない。

一方、ある程度のルールを抑えれば、セッションを楽しめる状態に到達できると思います。

タスクの多さに圧倒されるかもしれませんが、数年間は続けてみてください。楽しむことを大切にしましょう。

失敗の積み重ねが上達につながる

将棋棋士の羽生善治さんが著書『大局観』で次のように述べられています。

将棋界には、反省はするが後悔はしないという言葉がある。経験や体験を自分自身の実力を上げていくうえで必要不可欠なプロセスとして受け止め、消化し、昇華させることが大切なのである。

上述書より

これが全てと思います。当たり前かもしれませんが、上達するにはトライ&エラーの連続しかない。

セッションで失敗すると自分にとっては大ごとでガチ凹みするかもしれませんが、周りは全く気にしてない可能性が高いです。

というか、慣れてる人は失敗ありきで考えてるので、失敗を成功に持っていくリカバリー能力が大事です。

その内、自分自身でも失敗が失敗と思わなくなり、試行錯誤の材料になってれば上達のサイクルに入っていきます。


もう少し細かく失敗しがちな点や具体的な解決策を知りたい方は、『ジャズ・ピアノがうまくなる理由 ヘタな理由』が参考になります。

正直、解決策のメソッドは対処療法的な部分はあるんですが、ジャズピアノを練習していれば避けて通れないポイントが多く書かれてます。

セッションに挑戦中の人にオススメです。興味あればぜひ入手してみてください。

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『ジャズ・ピアノがうまくなる理由 ヘタな理由』
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