ジャズ演奏を磨くなら、耳コピでニュアンスを身につけ理論で後付けする

ジャズ学習で最も支持されている方法がトランスクライブ。いわゆる耳コピです。

さらに理論を後付けすると、耳コピも楽になるし応用も効くようになる、という話。

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ジャズ上達の主流は音源のコピー

「アドリブがうまくなりたければジャズの音源をコピーしろ。理論は後付けでいいから」

初心者の頃、当時の先生によく言われました。

音源にはメロディからリズムのニュアンスまで全てが含まれてるので、この上ない教材。確かにコピーの効果は絶大で、理論がそこまでわかってなくても上達につながる方法です。

最初によく取り上げられるのが、Red GarlandのC Jam Blues。これのコピーに取り組んだ人も多いんじゃないでしょうか。

応用を効かすには理論武装が有効

コピーしていると「今のどうやってるんだ?」と未知のサウンドに手が止まることがあります。

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根性で何回も聴き返しながら音を取るのもありですが、実は理屈を知っていれば苦労せず音が取れるようなこともあります。

また、自分なりに解釈して新しい価値を創る、つまり応用を効かすためには知識を持っていないと難しい。

その手段の一つが理論の後付けなんですが、それってどう勉強したらいいの?ってなるんです。独学のアマチュアは特に(皆さんどうしてるんでしょうね)。

どこまで突き詰めるかは人それぞれですが、複雑なサウンドを要するジャズの場合、理論面がアドリブの巧拙に関わるのも事実

セッションでも、メンバーの習熟度のマッチング次第で演奏の展開がかなり変わります。

未熟だからこそ理論が有効

もしあなたがアマチュアの場合、こう思われるかもしれません。

趣味レベルだし理論なんて必要ない

ただ、理論はプロの専売特許ではなく、むしろ経験不足な人や贅沢な練習ができない人にこそ有効です。

この点について、社会心理学者の岡本浩一さんが著書『上達の法則』にて以下のように述べられています。

過去記事で紹介した『上達の法則』でも、その有効性が述べられてます。

未熟だからこそ理論が必要
まず、理論的思考を身につけることが、上達の道具となる面が大きい。効率をよくして上達しようという場合、相対的に少ない練習量、少ない経験量を有効に血肉にするということが大切となる。そのためには、自分の練習や経験、他者の練習や経験を深く理解することが有効となる。そのために、理論が有効なのである。

引用:『上達の法則

ポイントは、経験も少ないし時間も取れないという人にこそ理論が必要と述べられている点。理論は専門家の専売特許ではないんですね。

理論学習はネットよりも本が良い

何にせよ、理論を勉強せにゃならんとなったら、本やネットで調べるなり方法はいろいろあると思います。

自分なら間違いなく本をあたります。

ネットにも解説サイトや動画が山ほどありますが、ネットは手に入る情報が断片的になり、全体像が見えにくいのが難点。

信憑性も低い情報が氾濫する中で、自分の習熟度に適した情報をピックアップするのは非常に難しいです。

特に致命的なのは「自分の知ってる情報しか検索できない」ところ。

その点、本は体系的にまとめられているため、全体像が把握でき自分の知らない論点も含めて学習しやすいメリットがあります。

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Mark Levineの書籍はジャズ理論書の代表格
とても有益で、インデックス貼って使ってます

個人的には、ネットはライブ映像を観るぐらいで、細かい理屈は本で学習する、という使い分けをしています。

▼オススメ理論書(別記事リンク)

過去記事で独学アマチュアの方向けにジャズ理論書を5冊セレクトしてますので、興味ありましたら引き続きご覧ください。

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