ジャズピアノは独学で弾けるようになるのか?
わたしも最初はその疑問を持っていました。
結論、どこまでいっても独学の積み重ねが大事だと思います。他の人からアドバイスをもらったとしても、最終的には自分で進むしかありません。
レッスンに通ったからって、すぐに弾けるようになるわけじゃない。だから、「弾けるか弾けないか」というシンプルな答えにはならないんです。
もう少し前提を整理すると、建設的な答えに繋がるかもしれません。

あなたのイメージする
「ジャズピアノ」とは?
「弾ける」とは?
人それぞれ、ざっくりと理想があるんじゃないでしょうか。
気軽に楽しみたい、プロ級になりたい、
ソロで弾きたい、バンドでセッションしたい、
Bill Evansのように弾きたい、など…
いずれにせよ一度は独学で進めてみて、自分が弾きたいジャズ像をイメージして、「これじゃ無理だ」と感じたタイミングで、誰かに習う選択肢を考えるのもアリだと思います。
ここからは、私の経験を踏まえてお話しします。一個人のサンプルとして参考にしてください。
私の場合|2年間習い、あとは独学
ピアノは小学生の頃に少し習っていましたが、バイエルを終える前に辞めました。大学でジャズピアノを始める頃には、ドレミファソラシドをたどたどしく弾ける程度の状態です。
最初は「独学でどうにか弾けないか?」と思い色々と調べていました。
「
ジャズピアノ 独学」でググってみると、たくさんの人がいろんなことを書いています。ジャズっぽいコードの弾き方
スイング感を身につけよう!
まずはジャズを好きになろう!
情報は豊富にありそうです…しかし、独学者の最大の壁は、検索能力の無さです。自分に必要な手がかりを見つけるのに相当な時間がかかります。
そして悟りました。



あ、これ独学は無理だ
そして、ジャズの知識ゼロの状態からレッスンを受けることにしました。


レッスンを受けたものの、少し気になるのは独学の範囲。
仮に独学を「特定の先生に習わないこと」という意味に限定すれば、他のあらゆるリソースを活用して学びを深めることは可能です。
実際、レッスンに通わなくても、音源をコピーしたり、セッションやライブでプロミュージシャンからアドバイスをもらうこともできます。
私自身、最低限の演奏ルールを覚えた後は、実践と独学でしか上達できないと感じ、レッスンを辞めることにしました。
これはレッスンや講師が良くないという意味ではなく、結局、上達するには自分でやるしかないと感じたのです。
ジャズピアノの学習リソース
「独学 vs レッスン」といった二択で考える必要はないと思います。
むしろ、さまざまな学習リソースを組み合わせながら、自分に合った方法を模索する流れになるのではないでしょうか。
そこで、どんなリソースがあるのかを以下に挙げてみます。
- レッスン
ジャズピアノ教室(企業系、個人系)
現場のジャズピアニスト
ウェブサイトの会員制コンテンツ - 教本と楽譜
ジャズピアノ教本・理論書
ジャズミュージシャンのコピー譜
ジャズスタンダードのアレンジ楽譜 - 音源
ジャズピアノ教本・楽譜の付属音源
ジャズミュージシャンの演奏音源 - 動画
YouTube等のジャズピアノ解説動画
ジャズミュージシャンのライブ動画 - コミュニティ
ライブバー等のセッション
学生・社会人ジャズサークル
オンライン掲示板 - 音楽大学・専門学校
とりあえず独学でやってみたい人へ
独学でジャズピアノを学びたい方におすすめの学習リソースを紹介します。
あまり多く紹介しても逆に迷ってしまうかもしれないので、かなり限定的に紹介します。参考程度にしてください。
なお、ジャズピアノにはソロピアノもバンド形式もありますが、ここではバンド形式に焦点を当てます。
教本|はじめてのジャズ・ピアノ・トリオ
これで初心者時代を乗り切りました。
ピアノトリオの演奏の流れを一通り学べる譜面が載っています。さらに、ドラムとベースの伴奏CDも付いているので、それに合わせて弾くことで、セッションを疑似体験できます。
初めてセッションに参加した時も、アドリブが全くできなかったので、この譜面通りに弾いていました。
掲載曲は、セッションでよく演奏されるジャズ・スタンダードが多いので実用的です。
こちらでも紹介しています
生のライブを鑑賞・セッションを見学
「そもそもジャズってどんなものなんだろう?」というような初歩的な段階の方には、生のライブを聴きに行ったり、セッションを見学することをおすすめします。
生演奏は、やっぱり迫力が違います。その中で「こんな風に弾きたい」「この人に教えてほしい」といった新たな発見があるかもしれません。最初は、何やってんのか意味わからん、となるかもしれませんが
セッションでは、老若男女、さまざまな人たちが音楽を通じてコミュニケーションしている様子を見られます。
ただ、「ライブやセッションなんてどこでやってるの?」と思われるかも知れません。そこで便利なのが「今日ジャズ」というサイトです。全国のライブやセッションの開催情報を検索できます。
近所で行われている場合は、ぜひ足を運んでみてください。
音源のコピー
「ジャズ上達にはコピーが大事」とよく言われますが、本当にその通りだと思います。ジャズに限らず、どんな分野でも上手い人のマネをすることは学習効果が高いです。
私の場合、最初はシンプルなフレーズを弾くミュージシャンのコピーをしていました。ソロを一緒に歌えるようになるまで繰り返し聴き、難しい部分は書き起こすような感じです。
ただ、複雑なフレーズやボイシングで聴き取れない場合は、市販のトランスクリプション(音源を譜面に書き起こしたもの)を参考にすることもあります。
トランスクリプションでも音源のリズムやニュアンスまで表現しきれない(譜面には限界がある)ので、音づかいの参考程度にしています。
オンラインサービス|Jazz-Steps
Jazz-Stepsは、音ゲー感覚でジャズを学べるオンラインサービスです。
私は直接試したことはありませんが、初心者時代にこんなツールがあったら利用していただろうなと思います。
プロのジャズピアニストが監修されているので、興味があれば一度覗いてみてください。(ここまでくると、独学というよりは指導を受けているようなものかもしれません)
YouTubeについて


情報を見極めるのが難しい
もしも知識ゼロの状態でジャズを勉強する場合は、YouTubeを学習のメインにするのは少し難しいかもしれません。
YouTubeにはたくさんの無料レッスン動画があり、気軽に見られるのはすごく便利です。ただ、その中から「自分に合う動画」を見つけるのは意外と難しいんです。
「この人、喋りが上手でわかりやすそう!」と思っても、その内容が本当に正しいかどうかは、初心者には判断がつきにくいこともあります。
「肩書きがすごい」「ライブ活動をたくさんしているみたい」といった情報を頼りにするのもアリですが、それだけで完璧に信頼できるかというと、そうでもありません。
気がついたら、検索しては動画を見比べて…なんてしているうちに、あっという間に時間が経ってしまうこともあります。最初は参考程度に使うのが良いのかなと、個人的には思います。
“わかった気”になりやすい
動画を見ただけでわかった気になりやすい、という点も注意が必要です。
画面の前でふむふむと頷いているだけで、実際には指が全然動いていない…なんてことになりがちです(これは人によるかもしれませんが)。
使い方次第では非常に有効なリソース
まず、基礎をしっかり学んだ後、自分が知りたいことを明確にしてから動画を探すと、YouTubeはとても役立ちます。
その時には、どの情報が自分に合っているか、ある程度見極められるようになっていると思います。
もし好きなジャズピアニストがいれば、そのライブ映像を観ることもおすすめです。
すばらしい演奏に触れて「こんな風に弾けるようになりたい!」という気持ちを高めると、練習のモチベーションにもつながります。
もちろん、技術的な細かい部分も動画なら見つけやすいです。
私が最初に憧れた演奏
まとめ:自分に合った学び方を見つける
最初は独学でやってみて、習いたくなったら習う。それでいいと思います。
「独学は効率が悪い」と言われることもありますが、その非効率を楽しむことも一つです。ジャズを学ぶ過程そのものが楽しいものです。
その過程で、自分の弾きたいジャズのイメージが見えてくると思います。それが見えてきたら、改めて「独学?習う?他には方法がないか?」を考えてみても良いんじゃないでしょうか。
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