ツーファイブワン・フレーズを12keyに移調する意味はあるのか

あなたは移調が得意ですか?

私は正直、苦手です。

ジャズピアノを学ぶ中で、2-5-1フレーズを12keyに移調するトレーニングに取り組むことがあります。実際に挑戦したことがある方も多いのではないでしょうか。

初心者時代のノート

でも、この練習は本当に効果があるのでしょうか?

この記事では、初心者時代に私が経験した12キー移調の試みを振り返り、その目的や効果の有無について整理していきます。

目次

効果がある場合

12キーで演奏できること目指す場合

12キーの移調といえば、このイメージじゃないでしょうか。

ジャズ・スタンダードは様々なキーで演奏されることが多く、特定のキーに限らず対応できることが重要。プロの現場では、曲が急に違うキーで演奏されることもあります。

各キーでの2-5-1進行に慣れることで、移調された曲にも即座に対応できる力がつきます。特にセッションで重宝します。

理論と実践の結びつきを強める場合

12キーの移調トレーニングは、実践よりも理論的な側面が大きいです。

理論的な知識を音楽の中で使える形にする。具体的には、ダイアトニックコードの理解や、コード進行の構造を深く理解するために実際に手で演奏することができます。

12キーで繰り返すことで、頭で考えなくても瞬時にコード進行が指に馴染むようになり、アドリブや作曲においても自然と理論が生きてきます。

耳をトレーニングする場合

同じメロディのフレーズでも、キーによって聴こえ方が変わります。

どんなキーでもフレーズや進行が耳で聴き取れるようになること。移調することで耳が違う音域や音色に適応し、聴覚的な柔軟性が身につきます。

自然と耳が鍛えられ、キーが違っても違和感なくフレーズを聴き取れるようになります。これにより、即興演奏のスキルが向上します。

基礎的な指の運動を行う場合

各キーでの指使いやフィンガリング(運指)に慣れ、手の筋肉を鍛えること。異なるポジションでの演奏に慣れることで、手の柔軟性が増します。

特定のキーだけでなく、どのポジションでも安定して演奏できるようになります。指の動きがスムーズになり、技術的な向上に繋がります。

効果があまりない場合

フレーズの移調を目的とするだけの場合

12キーに移調する作業で満足して終わってしまうと意味がありません(私もこの状態になってました…)。

ただ移調の作業自体を目的とし、音楽的な応用や深い理解を目指さない場合は効果が見込みにくいです。

フレーズ自体を機械的に覚えるだけでは、実際の演奏で活かしにくいです。特に、ただの暗記になってしまうと、即興やアドリブの流れの中でフレーズを弾くのが難しいです。

リズムや表現力を無視した練習の場合

同じフレーズをただ移調するだけで、リズムやタイム感、ニュアンスにあまり注意を払わない場合。

メロディを正確に弾けても、リズム感などがいまいちだと音楽的にならずもったい無いです。機械的にキーを変えるだけでは音楽的な深みが得られず、演奏に感情やニュアンスが欠けてしまうことがあります。

実際の曲に適用しない場合

フレーズの移調だけを繰り返し、スタンダード曲や他のコンテキストにフレーズを応用しない場合。

移調だけでは実際の曲に適応する力がつきません。ジャズスタンダードなどの曲の中でフレーズを実際に使ってみる練習がないと、応用力が身につかず、実戦でのスキル向上に繋がらないことがあります。

短期間で結果を求める場合

短期間で2-5-1進行の移調を完璧にしたいと思う場合。

フレーズ移調の練習は長期的なプロセスが必要です。短期間で成果を求めすぎると、焦って中途半端な理解に終わる可能性があり、効果が薄くなるかもしれません。

即効性を求めるなら、むしろ12キーではなく、3~4つ程度のキーに絞って取り組んだ方が効果が出やすいと思います。

まとめ

2-5-1フレーズを12キーに移調する作業は、ジャズ演奏の多様なキーに対応する能力や理論の深い理解に役立つ場合が多いです。

ただし、移調自体を目的にしてしまうと効果は限定的になることがあります。

練習の目的を明確にし、実際の演奏や音楽的な表現にどう応用できるかを考えながら取り組むと、最大の効果が得られるのではないでしょうか。

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