ボイシングとは、あるコードが示されたときに、どの音をどう並べるかということ。
同じC7でも、弾き方ひとつで響きがまるで変わる。
ピアノという楽器だからこそ楽しめる、そんな面白さがあります。
理屈よりも、先に手が動かしていました
私の場合、ボイシングを頭で理解してから弾けるようになったタイプではありません。
どちらかというと、コピーを繰り返しているうちに自然と手が覚えて、あとから「なるほど、こういう構造だったのか」と理屈が見えてきた、という順序でした。
このブログも、自分なりに後から整理したノートのようなものとして書いています。
この記事では、そうした経験の中で「この本はわかりやすかったな」と感じた1冊を紹介するだけの内容になりますが、今後はその本を参考にしながら、他の記事でボイシングを整理していくつもりです。
マーク・レヴィンの本は中級者以上向け
ジャズピアノの名著といえば、マーク・レヴィンの『The Jazz Piano Book』や『The Jazz Theory Book』を思い浮かべる方も多いかもしれません。
この2冊にもボイシングの解説は載っていますが、ある程度コードに慣れている中級者以上向けという印象です。
特にレフトハンド・ボイシングは、ルートレスかつテンションを含めた4音ボイシングが前提になっているので、初心者の方が読むと「???」となる可能性が高いです。
基本はフィリップ・メールケの本がわかりやすい
個人的に、ボイシングの基本がもっともわかりやすかったのは、フィリップ・メールケ(Philipp Moehrke)著『ジャズ・ピアニストのためのコード・ヴォイシング・ワークブック』です。
カラオケCDや課題も付属していて、実際に手を動かしながら学べる構成になっているのが特長。

多少和訳にクセがあったり、全体像が少しつかみにくいところもありますが、それでも比較的体系立てて解説されているので、初心者が最初に手に取る本としてはおすすめです。
内容を表に整理しました
ただ、実際に読んでみて「今どこをやっているのか」が見えにくいなと感じたので、自分なりに全体の構成を整理した図を作ってみました。
このブログでは、その図に沿って、各ボイシングの特徴や使い方を少しずつ書いていこうと思います。

(ルート有り)
バド・パウエル・ボイシング
3音スプレッド・ボイシング
(ルート無し)
ガイド・トーン・ボイシング
3音レフトハンド・ボイシング
4音レフトハンド・ボイシング
(ルート有り)
3音スプレッド・ボイシング
4音スプレッド・ボイシング
5音スプレッド・ボイシング
(ルート無し)
Drop2・ボイシング
アッパー・ストラクチャー・トライアド